発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002246689
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58歳女.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の診断でステロイド療法を受けていた.貧血精査で胃癌及び結腸ポリープを指摘された.上部消化管内視鏡検査で幽門部前壁から小彎にかけて境界明瞭な凹凸不整な隆起性病変が認められ,生検によりtubular adenocarcinomaの診断を得た.上部消化管造影で幽門輪近傍で辺縁不整なバリウムはじきを,圧迫により不正な透亮像が認められた.腹部CT検査で軽度の脾腫を認めた.下部消化管内視鏡検査で脾彎曲部に表面は大小不同で顆粒状のIIa様隆起性病変を認めた.以上からITPを合併した胃癌及び結腸ポリープと診断した.著明な血小板減少が認められ,術前に免疫グロブリン大量療法を行い,結腸ポリープに対し,下部消化管内視鏡検査下ポリペクトミーを施行したが結腸癌が疑われ胃切除に結腸切除も併せて行った.経過は比較的良好で第9病日から経口摂取を開始し,現在外来フォロー中である
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