発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014126091
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80歳男。特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と診断され、H.pylori除菌を施行したが、血小板は改善しなかった。脾摘術を施行したが、その後も血小板減少を認めプレドニゾロン内服中であった。貧血で上部内視鏡検査を施行し、胃前庭部に潰瘍病変を認めた。生検で中分化型腺癌と診断した。上部消化管内視鏡所見では、胃前庭部小彎前壁に出血を伴った3型病変を認め、肛門側は全周性に狭窄していた。生検による病理組織検査で中分化腺癌と診断した。術前5日間に大量免疫グロブリンを投与し、血小板が上昇したところで手術を行った。術後PLTが1万/μl台まで低下し血小板輸血を行った。また、術後肺炎を認めたが抗生物質投与で改善した。ほか出血や縫合不全、残胃壊死などは認めず、第21病日に退院した。術後1年現在、再発は認めず、PLTは5~10×10^4μlで推移している。
©Nankodo Co., Ltd., 2014