発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002251492
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32歳男.右季肋部不快感を認め,胆道系酵素の異常と肝機能の障害を認めた.腹部超音波検査,腹部CT検査で,肝門部に直径4.5cmの腫瘤を認め,両側肝内胆管の拡張,胆嚢の腫大と胆嚢壁の肥厚が見られ,この腫瘤は膵頭部にまで連続性が認められた.更に転移を思わせるリンパ節の腫大が多数認められた.ガリウムシンチで肝門部の腫瘤に一致してガリウムの異常集積を認めた.MRCPで拡張した両側肝内胆管が肝門部で途絶していた.上部消化管内視鏡検査と十二指腸造影検査で,十二指腸内部に隆起性病変を認め肛門側に通過できなかった.十二指腸癌による肝門部リンパ節転移と診断し,手術を施行した.HE染色で低分化腺癌が約70%,高分化型扁平上皮癌が約30%の割合で混在し,肝門部胆管原発の腺扁平上皮癌と診断された.術後経過は極めて良好であったが,術後約5ヵ月に腹腔動脈周囲のリンパ節転移が大きくなり,術後7ヵ月後に死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2002