発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017326393
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49歳男性。発熱・胸痛・血痰を主訴に近医を受診、胸部CTで空洞性病変を指摘され、気管支鏡下に細菌培養と細胞診が行われたが、確定診断には至らなかった。1ヵ月後、空洞は縮小したが、空洞壁は肥厚しており、精査加療目的で紹介となった。胸部CTでは右肺上葉S1に長径27mm大、中心部は低吸収で空洞は消失、辺縁は造影効果のある結節影が認められた。肺癌あるいは肺アスペルギルス症を疑い、診断・治療目的で手術が施行された。病理組織学的所見では、腫瘍は長径20mmの腺房型腺癌の診断で、病巣の一部には壊死を伴う肉芽腫を認め、壊死部分にはアスペルギルスの菌体が検出された。以上より、本症例は右上葉癌(pT3N0M0、病理病期IIB期)および肺アスペルギルス症と診断された。術後1年4ヵ月経過現在、再発は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2017