発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007228153
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
72歳男性。胸部CT所見にて左上葉末梢に淡い濃度上昇域と、左肺動脈本幹に接したリンパ節腫大を認めた。PET-CT所見により左肺上葉S1+2のブラ壁にFDGの集積を認め、原発巣が疑われた。左肺門の腫瘤にもFDGの集積を認め、SUV maxは早期相11.46、遅延相13.19であった。胸腔鏡併用手術にて左肺動脈前方#10のリンパ節を摘出し、さらに触診にて左上葉の気腫性病変部胸膜直下に2個の硬結を触れ、これらを切除した。迅速診断の結果、リンパ節は肺癌の転移、肺腫瘤はいずれも腺癌との診断で、左上葉切除とリンパ節郭清(1群)を施行した。病理組織所見にて、肺尖部の気腫性部分が原発巣で、乳頭状高分化型腺癌の組織像を呈し、micropapillary component(MPC)を伴っていた。2個の結節は肺内転移巣の診断で、病理病期はT4(pm1)N1M0、IIIB期であった。リンパ節転移巣では原発巣よりもMPCが顕著であった。術後化学療法を6クール施行し、現在外来通院中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007