臨床経験
血液透析例における冠状動脈肺動脈瘻
吉村 竜一
1
,
成瀬 好洋
,
田中 慶太
,
李 洋伸
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 循環器センター外科
キーワード:
血液透析
,
血管外科
,
心エコー図
,
心臓カテーテル法
,
心電図
,
心不全
,
腎不全-慢性
,
吻合術
,
冠血管造影
,
CT血管造影
,
冠状動脈肺動脈瘻
Keyword:
Computed Tomography Angiography
,
Anastomosis, Surgical
,
Electrocardiography
,
Echocardiography
,
Cardiac Catheterization
,
Heart Failure
,
Renal Dialysis
,
Kidney Failure, Chronic
,
Vascular Surgical Procedures
,
Coronary Angiography
pp.100-103
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017326383
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47歳男性。前医で透析前に胸痛が出現し、心電図にて虚血性心疾患が疑われ、救急搬送された。心臓カテーテルでは、冠状動脈に有意な狭窄は認められなかったが、心臓CTでは左前下行枝と右冠状動脈からそれぞれ異常血管が分枝し、肺動脈上で合流後、肺動脈に流入していた。また左前腕内シャントは、血流超音波所見では上腕動脈血流測定で、シャント流速が650ml/分と軽度高値であった。以上より、透析用シャントに加え冠状動脈肺動脈瘻(CPF)による容量負荷のため心不全が生じたものと考え、外科的治療を行なった。術後経過は良好で、NYHA分類はIII度からI度に改善した。CTRは66%から52%に、EFは41%から61%に改善し、術後24日目に退院となった。
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