発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014298165
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68歳女。労作時胸部違和感を主訴とした。入院時には第2肋間胸骨右縁から心尖部にかけて連続性雑音を聴取したが、呼吸音清、下腿浮腫は認めなかった。心臓CT、冠状動脈造影では左右冠状動脈より各々1本ずつ異常血管が起始し、合流後に瘤(7mm)を形成して肺動脈本幹へ流入しており、左冠状動脈左前下行枝からの異常血管も瘤化(10mm)していた。症状と画像所見より冠状動脈肺動脈瘻と診断して手術を行い、人工心肺・心停止下に肺動脈を切開すると冠状動脈瘻からの心筋保護液流出を認め、瘻孔を同定できた。また、肺動脈へ流入する瘤化した瘻血管を切開し、肺動脈外側より縫合閉鎖した後、左右側冠状動脈からの瘻血管起始部を結紮した結果、術後は連続性心雑音や自覚症状が消失し、画像所見上も瘻血管や冠状動脈瘤は消失した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014