発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017135904
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69歳女。労作性呼吸困難を主訴とした。主訴にて前医を受診し、心雑音と心膜に接した腫瘤性病変を認め、心臓由来の動静脈瘻が示唆された。紹介受診時には第2肋間胸骨左縁にLevine分類III/IV度の連続性雑音を聴取し、各種画像検査所見より径55mmの巨大冠状動脈瘤を合併した冠状動脈肺動脈瘻と診断して手術適応と考えられた。複雑な血管網を形成しているため、体外循環下に瘻孔閉鎖術、冠状動脈瘤内縫縮術を行ったが、連続性雑音の完全消失は得られず、連続性雑音が有意な部位を中心に心外膜側から瘻孔結紮術を追加した結果、連続性雑音は消失した。術後の心臓カテーテル検査、心エコー検査で肺動脈内への瘻孔を認めたが、術後6ヵ月経過時点で遺残瘻孔は完全に消失した。
©Nankodo Co., Ltd., 2017