発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017209370
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69歳男。前胸部痛を主訴とした。Valsalva洞動脈瘤と心嚢水貯留にて救急搬送先から転送され、経胸壁心エコー検査、胸部CTでは右Valsalva洞から心外性に発育し、右室を圧排する径5cmの嚢状瘤と心嚢液貯留、高度大動脈弁逆流を認めた。右冠状動脈は動脈瘤より起始しており、心嚢液は血液成分が疑われたため、心外型右Valsalva洞動脈瘤破裂、心タンポナーデと診断して緊急手術を行った。術中、径約5cmのValsalva洞動脈瘤と右冠尖弁輪直上に径3cmの瘤入口部を認め、瘤入口部パッチ閉鎖、大動脈弁置換術と冠状動脈バイパス術を行い、第28病日に軽快退院した。術後のCTではValsalva洞動脈瘤の入口部はパッチ閉鎖され、瘤内部は血栓化しており、グラフトは良好に開存していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2017