発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017209369
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76歳男。腰痛を主訴とした。腰部脊柱管狭窄症の術前検査で心電図異常を指摘され、心筋シンチグラムにて左回旋枝(Cx)領域に梗塞と虚血を認めた。冠状動脈CT、冠状動脈造影では左主幹部(LMT)の分岐部[左前下行枝(LAD)起始部]に最大径10mmの嚢状冠状動脈瘤が描出され、右冠状動脈(RCA)中間部99%、LMT 50%、LAD seg.6 99%、Cx近位部90%狭窄病変を認めた。嚢状冠状動脈瘤を合併した3枝病変であり、人工心肺使用下・心拍動下に術中心外膜心エコーで冠状動脈瘤の位置と瘤内の血流を確認しながら冠状動脈瘤縫縮術と5枝バイパス術を行い、術後の冠状動脈CTでは動脈瘤の消失とバイパス血管の良好な開存が確認された。本症例では心外膜心エコーを用い、リアルタイムで瘤内の残存血流を評価することで安全に瘤縫縮術を行い得た。
©Nankodo Co., Ltd., 2017