発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005089246
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50歳女.胸部苦悶感を主訴に近医受診し,診察中に意識消失し救急搬送された.来院時は意識清明で,心エコー所見などから大動脈弁輪拡張症の切迫破裂と診断した.緊急手術準備中に血圧が40mmHg台に低下し意識消失を認めたことから破裂に移行したものと考えられた.開胸すると著明に拡大した上行大動脈基部からの出血が認められた.手術法の選択にあたり当初は弁尖温存術式も考慮したが,すべてのValsalva洞が多房性に拡張し著しく菲薄化して脆弱になっており,明らかに炎症性であると思われたことから弁尖温存手術は危険と判断し,通常のBentall手術を選択した.術後経過はおおむね良好で,術中採取した瘤化大動脈壁の病理組織学的所見から梅毒性上行大動脈瘤と診断した
©Nankodo Co., Ltd., 2004