発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017398766
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71歳男性。労作時呼吸困難を主訴とした。幼少期より心室中隔欠損を指摘され、30歳時に弁膜症を指摘されていた。超音波でValsalva洞動脈瘤破裂と大動脈二尖弁による大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症と診断し、手術を行った。右室流出路に縦切開をおき、Valsalva洞動脈瘤を観察したところ、肺動脈弁の直下に菲薄化した瘤が右室側に隆起し、その先端に5mm大の破裂孔を認めた。近傍には7mm大の心室中隔欠損孔が存在した。瘤自体を直接縫合閉鎖し、周囲の健常な心筋を用いて心室中隔欠損孔も含めてパッチ閉鎖を行った。大動脈弁は二尖弁であり、左冠尖と右冠尖が癒合していた。弁尖の石灰化や短縮が著明であり、弁形成が困難と判断し、マグナ生体弁を用いた弁置換術を行った。術後経過は良好で、心不全は速やかに改善し、造影CTで瘤の残存を認めなかった。術後29日に退院となり、術後2年の現在まで再発を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2017