発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009042219
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74歳男。呼吸困難を来たし、心エコーで大動脈弁逆流4度、左冠状動脈洞拡大を認めた。CTでは左冠状動脈洞は31×35mmの瘤を形成し、冠状動脈造影では左前下行枝と回旋枝の分離起始が判明した。開胸術を施行し、左冠状動脈洞の突出部位に二つの冠状動脈入り口部を認め、一つにまとめて径12mmの冠状動脈ボタンとしてくり抜いた。次いで冠状動脈ボタンと径10mmのGelweave人工血管を吻合した。右冠状動脈入口部も同様にボタンにくり抜き、径8mmの人工血管と吻合した。左冠尖弁輪部は拡張しており、三尖の中心部のコアプレーション不良を認め、大動脈弁を切除して人工弁と人工血管を大動脈弁輪に縫着した。人工弁はCarpentier-Edwardsウシ心嚢膜弁23mmを、人工血管はValsalva洞構造を持つGelwear Valsalva 28mmを用いた。人工血管のスカート部分遠位端に2ヶ所側孔を開け、冠状動脈ボタンと吻合した人工血管の中枢端をそれぞれ吻合した。術後経過は良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008