発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008300303
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44歳男。心雑音を主訴とした。無冠洞に限局するValsalva洞動脈瘤と弁穿孔に伴う大動脈弁逆流に対しValsalva洞パッチ閉鎖および大動脈弁置換術の既往が有った。CT像では大動脈基部に造影される多胞性の嚢状瘤と大動脈炎の所見を認めた。上行大動脈造影で左冠洞部から左室への逆流を認め、Valsalva洞動脈瘤再発、パッチ縫合部離解、人工弁離開による大動脈弁周囲逆流の診断で、ステロイド治療により炎症反応鎮静化後に再手術を施行した。大動脈弁輪は人工弁、パッチの縫着部とともに離開していたため、ダクロンパッチを補填し、冠状動脈再建は人工血管を介在させるPiehler法を用いた。術後経過は良好で第23病日に退院し、術後18ヵ月経過して症状なく外来通院中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008