発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017135914
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72歳女。胸部異常陰影を主訴とした。肺・壁側胸膜の良性転移性平滑筋腫(BML)に対して52歳、59歳、64歳、65歳、68歳時に計5回9病変の外科的切除を受けていたが、70歳時のCTで右肺上葉に二つの結節影が出現し、緩徐に増大したため、72歳時に外科的切除を行った。呼吸機能は十分に保たれており、胸部CTで右肺上葉胸膜直下と肺内にそれぞれ1.5cmと1.0cmの境界明瞭で内部均一な結節影を認め、右肺上葉部分切除で2病変を一塊に切除した。病理組織学的所見では異型の少ない紡錘形細胞の束状増殖を認めるも壊死はみられず、BMLと診断された。また、免疫組織染色ではデスミン、α-SMA、ER、PgRがすべて陽性で、核分裂像は約10/10 high power field、MIB-1標識率は約8%であった。術後2年経過時点で呼吸器症状なく無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2017