発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010054004
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67歳女。地域健診で胸部異常陰影を発見された。12年前にシェーグレン症候群を併発した胸腺腫の診断で胸腺腫切除+両側肺合併切除+左腕頭静脈合併切除・再建の既往を認めた。胸部CT所見にて左肺S6の葉間胸膜に接する腫瘤影と周囲の粒状影を認め、気管支鏡検査で左B6擦過細胞診より腺癌を検出したため、原発性肺癌の診断で左肺下葉切除+下縦隔リンパ節郭清を施行した。免疫組織化学検査でCD5、bcl-2いずれも陽性であったため、リンパ上皮類似胸腺癌と病理診断した。そこで前回胸腺腫と診断した標本を再検討した結果、免疫染色でCD5とbcl-2がともに陽性であったため、胸腺癌の再発、肺転移と診断した。術後6ヵ月目に骨転移を認めたため化学療法を施行し、2年経過して再発徴候は認めていないが、両側大腿部に軽度皮膚筋炎の所見を認めている。
©Nankodo Co., Ltd., 2009