発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017326391
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71歳女性。胸部絞扼感と動悸を主訴に受診となった。狭心症を疑い、冠状動脈CTを行なったところ、左肺底部の腫瘤影が確認され、β-Dグルカン値の上昇から肺アスペルギローマと考えられた。手術目的で入院後、胸部X線では左肺下葉の横隔膜陰影に隠れる位置に腫瘤影がみられた。胸部CTでは内部に三日月状透亮像を伴う径3cm大の腫瘤影が認められた。術中所見では、病変は左肺下葉を基部として有茎性に発育した白色の腫瘤で、術中迅速病理組織診で悪性所見やAspergillsの菌体は確認されなかった。病理所見では紡錘形細胞の索状増殖を認め、内部に腺管構造が混在していた。また、紡錘形細胞は平滑筋細胞で、腺管上皮はTTF-1陽性で、肺胞上皮細胞と確認された。以上より、良性転移性平滑筋腫(BML)と診断された。術後は経過良好で、自宅退院となった。
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