発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007100280
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46歳女。検査所見の末梢血・生化学検査では異常を認めず腫瘍マーカーもいずれも正常範囲であった。胸部CT所見では右S8に3~7mm大の多発小結節集簇を認め、さらに右中葉、左上区、左舌区、左S10に系~4mm大の小結節を計4箇所認めた。また、甲状腺左葉に45mm大の石灰化を伴う腫瘤影を認めた。甲状腺Tl-Tcシンチ所見は肺野への集積はなく甲状腺左葉中部に集積像の針生検では明らかな悪性所見はなかった。以上より、転移性肺腫瘍や多発性過誤腫を疑い確定診断のため胸腔鏡補助下肺部切除術を施行した。術中迅速診断で子宮筋腫の肺転移と診断された。既往の子宮筋腫の組織像と類似し、免疫染色でもエストロゲン受容体弱陽性、プロゲステロン受容体は強陽性を示したことから子宮筋腫からの良性転移性平滑筋腫と診断した。術後6ヵ月経過した時点で左病変の増大は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2006