発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016087089
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症例は60歳女性で、喘息、肺塞栓症、潰瘍性大腸炎、高血圧の既往があった。57歳時に右乳癌に対し乳房部分切除術を行い、浸潤性乳管癌であった。残存乳房には術後放射線療法を行った。2年後のX線で右中肺野に結節影を指摘され、CTで右肺S6に17mmの結節影を認めたが、FDG-PETで有意集積を認めず経過観察とした。今回、CTで結節影の増大、FDG-PETで集積を認め、同時に子宮腫大を指摘されていた。転移性肺腫瘍の診断で手術(ステープラーを用いた部分切除術)を行った。病理所見では、紡錘形細胞が束状の配列をなして錯綜し、核は比較的均一で核分裂像や壊死巣はなかった。子宮原発の良性転移性平滑筋腫(BML)を疑う平滑筋腫と診断した。術後のMRIで子宮後壁に114mmの腫瘤を認め、腹式子宮全摘術、両側附属器切除術を行った。病理診断は異型平滑筋腫leiomyomaであり、免疫染色は肺病変と一致していた。
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