発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017135915
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74歳女。胸部異常陰影を主訴とした。肺癌疑いで紹介受診し、胸部CT所見では右肺尖区(S1)に収縮性変化・胸膜嵌入を伴う辺縁不整・境界不明瞭な結節を認めたほか、右後上葉区(S2)には炎症性変化を疑う結節影を、右上-下葉区(S6)には薄壁を保ったまま拡大する空洞病変を認めた。S1病変はCTガイド下生検で腺癌と診断され、S6病変は悪性を否定できなかったため、右上葉切除+右S6区域切除術+リンパ節郭清を行い、術後病理組織検査で三重多発肺腺癌と診断された。また、S6病変には拡張して空洞化した末梢気道とその中枢側に腫瘍細胞が広がる様子がみられ、細気管支の狭窄に伴うチェックバルブ機構により薄壁空洞が増大した可能性が考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2017