臨床経験
手術時に発症したStanford A型急性大動脈解離
藤井 明
1
,
坂田 純一
1北海道循環器病院 心臓血管外科
キーワード:
術中合併症
,
僧帽弁
,
僧帽弁閉鎖不全症
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
冠状動脈バイパス術
,
冠血管造影
,
経食道心エコー図
,
人工弁置換術
,
大動脈置換術
,
冠状動脈狭窄症
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Coronary Artery Bypass
,
Aneurysm, Dissecting
,
Intraoperative Complications
,
Mitral Valve
,
Mitral Valve Insufficiency
,
Coronary Angiography
,
Echocardiography, Transesophageal
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
,
Coronary Stenosis
pp.116-120
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016150837
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69歳男。発熱を主訴に、近医にて胆管炎疑いおよび敗血症性ショックの診断で緊急入院となった。CTでは肝梗塞を認め、ICU管理下にカテコラミンの持続投与を受け、種々の抗生物質を投与されるも解熱せず、発症17日後に精査目的で当院紹介となった。血液検査・大動脈CT・心エコー・冠状動脈造影所見より、感染性心内膜炎、無症候性心筋虚血と診断し、僧帽弁置換術および冠状動脈バイパス術を施行した。術中にStanford A型急性大動脈解離を発症したが、超低体温循環停止、逆行性持続脳灌流下に上行大動脈人工血管置換術を行い、救命し得た。術後は長期のリハビリテーションを要したが、術後41日目に独歩退院となった。
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