発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013305778
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人工心肺を使用した心臓・大血管手術4742例のうち、術中大動脈解離を来たした4例を提示した。症例1は64歳女性で、冠状動脈肺動脈瘻に対して瘻孔閉鎖術を施行し、上行大動脈より送血管を挿入したが、同部から広がる外膜下血腫が認められた。症例2は65歳男性で、大動脈弁閉鎖不全症(AR)に対して大動脈弁置換術(AVR)を施行し、人工心肺離脱までは問題なかったが、上行大動脈の送血管抜去後にカニュレーション部からの出血が持続した。症例3は84歳女性で、僧帽弁閉鎖不全症(MR)、AR、狭心症に対し僧帽弁形成術、AVR、冠状動脈バイパス術(CABG)を施行したが、閉胸後にドレーンからの出血が急増し、大動脈切開縫合部などから出血が認められた。症例4は73歳女性で、AR、狭心症に対しAVR、CABGを施行したが、吻合操作後に上行大動脈の送血管カニュレーション部周囲の血腫に気づいた。全例エコーで内膜フラップを確認して上行大動脈置換術を追加し、経過は良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013