急性大動脈解離の外科治療
臓器虚血 冠状動脈虚血を合併した急性A型大動脈解離に対する治療戦略と手術成績
朝倉 利久
1
,
五條 理志
,
石川 雅透
,
西村 隆
,
今中 和人
,
加藤木 利行
,
横手 祐二
,
許 俊鋭
1埼玉医科大学 心臓血管外科
キーワード:
冠動脈疾患
,
虚血
,
心エコー図
,
心電図
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
冠状動脈バイパス術
,
冠血管造影
,
治療成績
,
大動脈置換術
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Coronary Artery Bypass
,
Aneurysm, Dissecting
,
Coronary Disease
,
Electrocardiography
,
Echocardiography
,
Ischemia
,
Treatment Outcome
,
Coronary Angiography
pp.297-302
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007205500
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冠状動脈虚血を合併した急性A型大動脈解離に対する治療成績を検討した。対象は1990年1月~2005年4月までに手術した20例(男性11例、女性9例、平均年齢55歳)で、右冠状動脈虚血9例、左冠状動脈虚血11例、手術時期は24時間以内の緊急手術16例、2週間以内の準緊急手術4例であった。1)20例中13例(65%)を救命することできた。責任血管別の救命率は左冠状動脈虚血55%(6/11)、右冠状動脈虚血78%(7/9)であった。2)術中・術後に補助循環を要した9例中3例を救命することができたが、veno-arterialバイパス(VAB)を施行した6例は全例が死亡し、原因はうっ血性心不全5例、脳梗塞1例、腸管壊死1例であった。3)20例の解剖学的冠状動脈狭窄は、冠状動脈口から冠状動脈に解離が進行したI型:15例、冠状動脈口内膜が全周性に断裂したII型:4例、解離壁により冠状動脈口が閉塞したIII型:1例に分類できた。
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