発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016087084
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症例は64歳女性で、5年前に急性心筋梗塞に対し冠動脈バイパス術(CABG)が行われたが、徐々に僧帽弁閉鎖不全症(MR)が増悪し、テザリングによる僧帽弁逆流と心不全の診断で紹介入院した。心エコーでテザリングを伴う高度MR、中等度三尖弁閉鎖不全を認めた。内科的治療で心不全は改善し、画像所見から右開胸アプローチで心室細動(Af)下に僧帽弁置換術(MVR)+三尖弁輪縫縮術(TAP)を行った。中等度低体温、Vf下で右側左房を切開し、弁尖は硬化しており、後尖を温存してMVRを行い、次いでTAPを行った。加温と共に自己心肺は自然に復帰し、人工心肺からの離脱も容易であった。経過は良好であったが、心臓リハビリテーションを要し、術後28日目に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015