発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016087083
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症例は69歳男性で、55歳時に健診で胸部異常陰影を指摘され、精査で修正大血管転位症(C-TGA)と診断されていた。労作時呼吸苦を自覚し、急性心不全で近医より紹介入院した。心エコーで体循環心室の形態は右室で駆出率は44.9%、壁運動のび漫性低下を認め、重度の三尖弁逆流を認めた。CT所見、心臓カテーテル所見から軽度の解剖学的右室機能低下を伴う高度の三尖弁逆流を呈しており、三尖弁置換術を行った。体外循環を確立後に心停止を得た。房室弁は背側を向いており、三尖で前尖と後尖の間に大きなクレフトを認め、marginal zoneは肥厚していた。三尖とも弁輪に固定後、ATSを縫着した。術後経過は良好で13日目に自宅退院した。術後不整脈の出現はなく、症状の改善を認め、現在外来経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2015