発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009298946
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感染性心内膜炎(IE)21例の外科的治療成績を調査した。対象は活動期IE 15例、治癒期IE 6例であった。活動期IEのうち13例が自己弁のIE、他の2例が人工弁のIEで、自己弁IEでは僧帽弁単独7例が最も多く、大動脈弁単独3例が続き、人工弁IEでは各々1例であった。治癒期IEでも僧帽弁4例が最も多く、大動脈弁、三尖弁は各1例であった。自己僧帽弁の活動期IE 9例では全例に形成術を行い、うち2例は僧帽弁置換術となった。治癒期IEでは僧帽弁感染の4例全例に形成術が可能で、三尖弁位の1例も形成術が可能であった。なお、大動脈弁位では弁置換術を行った。全例の術後合併症は、心房細動が6例、弁周囲逆流、肺炎が各2例、脳合併症、心不全が各1例であった。術前、術後遠隔期の僧帽弁逆流、三尖弁閉鎖不全のgradeは、術前が各々3.7、3.5、術後遠隔期が0.2、1.0であった。平均追跡期間18.0±14.8ヵ月で、4年生存率、4年再手術回避率はともに95.2%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009