発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016087085
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症例は1ヵ月女児で、在胎37週2日、帝王切開にて2825g、Apgarスコア6/8点で出生した。生直後より陥没呼吸、鼻翼呼吸を認め、日齢0日に当院へ救急搬送され、気管内挿管、胃管チューブを挿入留置した。気管支鏡で口角から8.5cmの気管に全周性の拍動性隆起を認め、造影CTで重複大動脈弓、気管狭窄、左気管支狭窄を認めた。ミルク吸収不良と高ビリルビン血症から精査で胆道閉鎖症、腸回転異常症、門脈大循環シャント、多脾症候群、内臓錯位と診断された。人工呼吸管理で症状は軽快し、腸回転異常、胆道閉鎖症、門脈大循環シャントに対しLadd手術、シャント結紮術、肛門部空腸吻合を行ったが、術後20日目に吐血しショック状態となり、内視鏡で上部食道に拍動性の隆起、肉芽と潰瘍形成を認めて重複大動脈弓の圧迫による潰瘍出血の診断で手術を行い、大動脈食道瘻と判明し穿孔部を修復した。気管軟化症の左末梢気管支狭窄に、気管切開と気管外ステントを留置した。
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