【急性心筋梗塞合併症の外科治療】 僧帽弁乳頭筋断裂 急性心筋梗塞に続発する乳頭筋断裂に対する外科治療

症例1(76歳女性).胸痛を主訴に近医を受診,側壁の急性心筋梗塞と診断され紹介受診となった.カテーテル検査ではSeg 7で75%,Seg 11で100%の狭窄を認め,胸部X線では著明な肺うっ血を認めた.また,経食道エコーで左室内に腱索に続く離断した乳頭筋を認めた.側壁の急性心筋梗塞に伴う乳頭筋断裂による僧帽弁閉鎖不全症の診断で,僧帽弁置換術および2枝の冠状動脈バイパス術(CABG)を施行した.症例2(69歳女性).胸苦,呼吸苦を主訴に近医を受診,X線上で著明な肺うっ血を認め,心エコー上では前尖の逸脱を認めた.僧帽弁閉鎖不全からの急性左心不全と診断され,著者らの施設へ紹介受診となった.カテーテル検査ではSeg 2で90%,Seg 11で100%の狭窄を認め,側壁の急性心筋梗塞を伴う乳頭筋断裂による僧帽弁閉鎖不全症の診断で,僧帽弁置換術ならびに2枝CABGを施行した