発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015298900
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81歳女。呼吸困難、胸背部痛を主訴に救急外来を受診し、心エコーにて重症大動脈閉鎖不全症(AR)と診断され緊急入院となった。X線では縦隔拡大、心拡大を認め、経胸壁心エコーでは大動脈弁中央より心尖部に向かう重症ARを認めた。経食道心エコーでは上行大動脈に内膜の亀裂や壁肥厚、血腫を示唆する所見は認めず、CTでは上行大動脈の拡大、大動脈弓部の石灰化を認めたが、大動脈解離を示唆する所見は認めなかった。利尿薬投与とNIPPV管理にて心不全コントロールを行った後、第34病日に重症ARを原因とするForrester分類II群の心不全に対し大動脈弁置換術を予定した。しかし、手術所見にてDeBakey分類II型の大動脈解離と診断となり、Bentall手術に変更した。病理組織所見では大動脈中膜の外側寄りが開離しており、炎症性細胞浸潤を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015