発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006051523
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73歳女.右上肢痛・左片麻痺が出現して近医を受診,脳血管障害の疑いで神経内科に紹介入院となり,胸部CT所見にて急性大動脈解離(Stanford A型)を認め,心臓血管外科に転科となった.初診時,左不全片麻痺・左半身感覚障害・右上肢痛および右前腕部チアノーゼを認め,胸部X線像では心拡大を認め,頸部血管エコーでは右総頸動脈の血流検出不可で,近位部に血栓形成が疑われた.胸部造影CTにて上行大動脈から左鎖骨下動脈分岐部付近まで大動脈解離所見を認め, Stanford A型急性大動脈解離の診断にて緊急手術となり,4分枝付き人工血管を用いて弓部大動脈全置換術と頸部3分枝再建術を施行した.術後,左不全麻痺が遷延したが頭部CT所見では明らかな頭蓋内病変は認めず,MRSA肺炎を合併したため長期人工呼吸管理を要したが術後15日に抜管し,リハビリテーション(リハ)を開始した.術後胸部CTでは人工血管留置部に問題は認めず,リハにより自力にて食事摂取可能となり術後58日に転院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005