発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005055352
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
59歳女.約13年前に左乳癌(T2N1M0,stage IIB,充実腺管癌)にて定型的乳房切除術を施行され,1年2ヵ月前から前胸部に皮膚潰瘍を伴う腫瘤が出現,形成外科にて治療されたが治癒せず,腫瘤の生検結果から左乳癌の皮膚・胸骨転移と診断された.左乳癌の他部位への転移巣検索目的で施行されたCTにて右下葉に腫瘤陰影が認められ入院となった.入院時,胸部CT所見にて右肺S8に胸膜陥入像を伴う2.0×2.0cm大の腫瘤陰影を認め,前胸部の腫瘤存在部位の胸骨には骨融解像を認めた.腫瘍を含めて右下葉部分切除術を施行,迅速診断で肺原発腺癌の診断を得て,右下葉切除術+リンパ節郭清(R2a)を施行し,術後24日目に乳癌骨転移巣の摘出術を施行した.胸骨欠損部位はMarlexメッシュ+広背筋皮弁逢着で修復した.切除標本の病理組織学的所見から肺癌は中分化型腺癌(pT1N0M0,stage IA),乳癌の胸骨転移巣は乳頭腺管癌と硬癌と診断され,現在外来にて化学内分泌療法施行中である
©Nankodo Co., Ltd., 2004