発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012187915
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
60歳女。貧血と下腹部痛を主訴とした。腹部CTにて腹水貯留および小腸壁の著明な肥厚を認め、消化管穿孔を疑った。緊急手術を行ったところ、膿性腹水の貯留を認め、Treitz靱帯より約70cmの空腸とS状結腸が一塊となり、空腸には1cm大の穿孔を認めた。S状結腸と空腸を約30cm切除し、S状結腸に人工肛門の造設を行った。切除標本では約9cm大の全周性潰瘍性病変を認め、穿孔とS状結腸浸潤を伴っており、病理学的所見より腸管症型T細胞性リンパ腫と診断した。日本において、小腸穿孔を契機に診断されたT細胞性小腸悪性リンパ腫の報告は、本例を含めて今までに25例である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012