発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016303746
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62歳女性。約1年3ヵ月前より動悸を自覚、6ヵ月前に他院の精査にて発作性心房細動を指摘され、抗不整脈薬の内服を開始されるも症状は消失せず、今回、血痰を認めたため精査目的で著者らの施設へ受診となった。胸部CTでは右下葉S7から肺門に18mm大の内部に壊死を伴う腫瘤が認められ、左房への浸潤が疑われた。PET-CT、超音波ガイド下経気管支針生検を行なったところ、臨床病期IIIB期の左房浸潤を伴う肺腺癌と診断され、開胸下に手術が施行された。手術所見では左房に広範囲の浸潤を認めたため、人工心肺なしで心房間溝剥離による左房合併肺摘除術を施行した。その結果、術後経過は良好で、経過中に心房細動の発症はみられなかった。尚、病理組織学的に多形癌およびPSを考慮し、術後化学療法は施行しなかった。術後3年経過現在、非担癌で外来通院中である。
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