発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007150046
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54歳男。約1年前発熱と右胸痛の出現で急性膿胸を疑われ受診となった。抗生物質点滴で炎症反応が低下し、胸部陰影は消退するも右下葉に陰影が残存し気管分岐部リンパ節(#7)に転移を認め、経気管支肺生検にて肺大細胞癌eT1N2M0、IIIA期と診断し術前化学療法を行った。縦隔リンパ節の縮小は認めるも右下葉腫瘍は増大傾向が見られ、右下葉切除を施行した。葉間肺動脈露出の際、肺動脈からの出血を伴い術中バイタルが不安定になったためNDI郭清にとどめ終了した。サイトケラチン7の陽性から肺原発の肺多形癌、pT3N2M0、IIIA期と診断した。術後29日に膵頭部腫瘍、右腰部皮下腫瘍、右下腹部の腹直筋内腫瘍、Vater乳頭付近腫瘍、術後45日に左側頭葉腫瘍、64日に口腔右上顎腫瘤を認め、いずれも右下葉腫瘍と同様の所見を示し、急速な全身状態悪化により術後83日に死亡した。
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