発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008116821
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
62歳女。患者は胸部異常陰影を主訴とした。胸部X線では左第3弓に突出像を認め、CTおよびMDCTでは肺動脈左側に左前下行枝から起始する53×44mmの冠状動脈瘤が認められたが、瘻血管は描出されなかった。しかし、左冠状動脈造影では左前下行枝から異常血管を通じて径50mmの嚢状冠状動脈瘤を形成しており、更に肺動脈瘻となって肺動脈が造影された。また、右冠状動脈造影でも円錐枝瘻から起始する径20mmの巨大な嚢状冠状動脈瘤が確認された。以上、これらの所見より、本症例は2つの嚢状冠状動脈瘤を伴う冠状動脈肺動脈瘻と確定診断され、冠状動脈瘤の危険性が高いことから人工心肺下に瘤切除、瘻閉鎖術が施行された。その結果、病理組織学的所見では石灰化したアテローム斑、ならびに中等度の動脈硬化性病変が認められた。以後、経過は良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007