発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014298164
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69歳男。両下肢痛を主訴とした。急性大動脈閉塞の疑いで救急搬送され、初診時には心尖部に拡張期ランブルを聴取し、検査所見では心房細動、心拡大と右第2弓と左第2、3弓の突出、肺うっ血像を認めた。CTでは腹部大動脈の下腸間膜動脈分岐部の末梢から両側総腸骨動脈までの閉塞、左外腸骨動脈、左内腸骨動脈および左外腸骨動脈より末梢の閉塞を認めた。また、心エコーでは高度の僧帽弁狭窄症、左房拡大、左房内背側に可動性のある血栓(50×38mm)を認め、心原性血栓塞栓症による急性大動脈閉塞、および巨大左房内血栓を伴う高度僧帽弁狭窄症と診断した。まず、急性大動脈閉塞に対してFogartyカテーテルでの血栓摘除、バルーン拡張術やステント留置を行い、発症後約5時間で両下肢の血流を再開できた。続いて残存する巨大な左房内血栓と僧帽弁狭窄症に対して左房内血栓摘除および僧帽弁置換術を行い、良好な経過が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014