発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014065765
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56歳女。他院で胆石手術を受けた時の精査で第9~11胸椎の傍脊柱部腫瘤を指摘され、当院骨軟部腫瘍科に紹介された。CTガイド下生検を施行されたが病変に達しなかったため、胸腔鏡下手術による生検を目的に当科へ紹介となった。手術は右胸腔から3ポートでアプローチし、第9~11胸椎の腹側を取り囲む灰白調・弾性硬の病変が確認できたため、同部を生検した。結果、弱拡大像で浮腫性の粘液組織に一部リンパ球の集簇した像が認められた。強拡大像では核が偏在した形質細胞が認められ、異型に乏しい紡錘形細胞が散在し、好酸球も認められた。IgG4免疫染色を追加したが、陽性細胞は僅かに認めるのみであった。これらの所見から腫瘍性病変は否定され、線維性縦隔炎と診断した。5ヵ月後のCT検査で病変は自然退縮傾向を示していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013