発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010107253
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84歳女。臥床時上腹部痛を主訴とした。胸腹部CT及びmultiplanar reconstruction(MPR)所見では前縦隔右側に脂肪性腫瘤が認められ、この腫瘤は横隔膜の不連続部分で腹腔内と交通しており、その内部に脈管構造が確認できた。画像所見より大網を内容とするMorgagni孔ヘルニアと診断し、症状からヘルニア嚢と大網との癒着が想定されたため、ミニ開胸を併用した胸腔鏡補助下手術(VATS)で修復術を行った。術後症状は消失し画像上再発を認めていない。本症例ではヘルニア門の位置、ヘルニア内容の確定にMPRが有用であり、内容が大網でヘルニア嚢との癒着の可能性が考えられる症例では、ミニ開胸を併用したVATSが推奨すべき治療法であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010