発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014065766
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63歳男。健診の胸部X線で異常影を指摘され受診した。胸部CTで左肺S6を占拠する60×46mm大の辺縁平滑で境界明瞭な腫瘤影を認め、また左葉気管支間リンパ節が腫大していた。気管支鏡検査では左B6入口部が狭窄しており、粘膜の発赤を認めた。B6の末梢から擦過細胞診を行ったところ、非小細胞肺癌(NSCLC)と診断された。頭部MRIと骨シンチグラムで明らかな遠隔期転移は認められず、肺悪性腫瘍(NSCLC)、cT2bN1M0、臨床病期IIB期の診断で胸腔鏡補助下左肺全摘術+リンパ節郭清術を施行した。摘出標本の肉眼所見は66×63×45mm大の腫瘍で黒色を呈しており、免疫組織学的所見から悪性黒色腫と診断した。また、腫瘍細胞が気管支上皮基底側から上皮下へ浸潤するjunctional changeの所見を認めたことから、肺原発の悪性黒色腫と診断した。補助化学療法は施行しなかったが、術後4ヵ月の現在まで再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013