発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007050570
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63歳女。17年前に乳癌手術を行っている。乳癌手術8年後に左反回神経麻痺、さらに13年後からの2年間で左横隔膜神経麻痺・両側声帯麻痺・食道狭窄と急激な臨床症状の悪化をきたし、縦隔線維症が強く疑われた乳癌縦隔再発の1例を報告した。fluorodeoxyglucose-positron emission tomography(FDG-PET)で縦隔組織全体にびまん性の集積を認めた。生検鉗子で4ヶ所組織を生検し、術中迅速病理診断で乳癌縦隔再発と診断された。乳癌再発に対して縦隔に60Gyの照射とtrastuzumabを開始し、対症療法として食道狭窄に食道ステントを留置し、外来通院中である。縦隔線維症と臨床上・画像上鑑別が困難で、まれな臨床経過をたどった症例であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2006