発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014063378
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症例は78歳男性で、心窩部痛、嘔吐を主訴に、他院にて腸閉塞と診断され、当科紹介となった。臨床経過および腹部画像所見より、横隔膜ヘルニアによる腸閉塞を疑い、経鼻胃管を留置し減圧を行ったところ、腹部症状は改善した。入院第4病日に左胸部痛が出現し、第5病日の胸部X線所見より左横隔膜ヘルニアによる腸閉塞を考え、開胸手術を行った。手術所見ではヘルニア嚢を有するBochdalek孔ヘルニアが確認され、壊死・穿孔部の小腸を約40cm切除・端々縫合し、ヘルニアの切除・縫縮、ドレナージを行った。術後、短時間の人工呼吸器による補助、循環作動薬の使用を要したが、その後の経過は良好で、第35病日に軽快退院した。
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