発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013120694
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72歳女。腹痛・嘔吐を主訴に受診した。右下腹部に圧痛、筋性防御を認めた。胸部X線所見では、両上肺野に石灰化影が散見された。消化管造影X線所見では、右下腹部の小腸に狭窄を認め、その口側は限局的に拡張していた。腹部CT所見では、腸間膜上の石灰化を伴ったリンパ節腫脹、および骨盤内の正中部から右側小腸の拡張を認めた。小腸結核をはじめとした陳旧性の病変を視野に入れ、腹腔鏡下手術を施行した。病理組織学的所見では、小腸結核と診断した。リンパ節にも同様の所見を認めた。術後経過は良好で、術後1ヵ月ほど経過した時点で、リファンピシン、塩酸エタンブトール、イソニアジドの3剤併用抗結核療法を施行し、現在再燃を認めていない。
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