発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005175820
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71歳女性.患者は14年前に心筋梗塞で経皮的冠状動脈形成術を受け,近医で経過観察中に胸部異常陰影を指摘され,今回,紹介入院となった.X線では右下肺野に腫瘤影を,左下肺野に腸管ガス像を認め,CTでは右下葉の腫瘤が中葉にまで浸潤しており,左胸腔に大腸と脾を認めBochdalek孔ヘルニアが疑われた.生検にて右肺腫瘤は扁平上皮癌と診断され,臨床・検査所見より手術不能の判断で放斜線治療を行った.その後,肺炎および右肺癌進行で再入院となり,X線で左胸腔に胃泡を認め,呼吸状態悪化,血圧低下,意識レベル低下でICU入室した.CTでは左胸腔に大腸,脾とともに拡張した胃の嵌入,右胸水と無気肺を認めた.また上部消化管造影で拡張した胃と通過障害を認め,気管支鏡で右中間気管支幹に腫瘤を認めた.手術を行い術後固形物摂取可能まで回復したが,肺癌の転移で第43病日に死亡となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005