発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012360648
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88歳女。2007年右大腿骨転子下骨折に対し、観血的内固定術を受けた。2010年食欲低下、嘔気が出現し、4日後に受診した。単純X線の臥位で、小腸の著明な拡張を認め、左側臥位撮影で鏡面像を呈し、腸閉塞状態であった。右大腿骨内には、挿入された固定釘を認めた。CT水平断像で、左側閉鎖孔から突出した小腸を認めた。同スライスでは、大腿骨内に固定具によるアーチファクトの影響を受けていた。前額断像、矢状断像でも同様に、閉鎖孔から突出した小腸を認めた。右大腿骨転子下骨折術後の左閉鎖孔ヘルニア小腸嵌頓と診断し、開腹手術を施行して用手的整復と、出血・壊死性変化を来した小腸の部分切除術、端々吻合を行った。病理組織学的に小腸全層に壊死性変化を認めた。術後経過は良好で、術後9ヵ月を経過し、ヘルニア再発の徴候は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012