発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006231514
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80歳女.約10年前からMorgagni孔ヘルニアを指摘されて逆流性食道炎にて通院加療していたが,症状がなく高齢者であることから手術を希望せず,無処置で経過観察を行っていた.2日前から腹痛と発熱が持続したことを契機に急性胆嚢炎と診断され,加療後に外科を紹介された.画像診断によりヘルニア内容が腸管であり,今後に腸閉塞の危険性があり,右肺が高度に圧迫されているために呼吸機能障害を生じていることを説明し,胆嚢摘出術と同時にヘルニアへの手術を行うことへの同意を得た.右肋骨弓下の斜切開にて開腹し,ヘルニア修復術を先行して施行した.その後,定式にしたがって逆向性に胆嚢摘出術を施行した.合併症はなく経過し,退院時には右中葉の無気肺は改善傾向を認めた.胸腔鏡を併用することで肺の拡張状態を評価でき,胸腔内を観察しながら安全にヘルニア嚢及びヘルニア門を処理することができた
©Nankodo Co., Ltd., 2006