特集 小児外科診療における合併症、偶発症-とっさの処置、その後の対応
胃空腸吻合術後のPetersenヘルニア
田中 尚
1
,
矢内 俊裕
,
西塔 翔吾
,
根本 悠里
,
吉田 志帆
,
益子 貴行
,
東間 未来
1茨城県立こども病院 小児外科
キーワード:
術後合併症
,
腸閉塞
,
腹部X線診断
,
Roux-en-Y吻合術
,
嵌頓
,
重症心身障害者
,
注腸造影
,
腹部ヘルニア
,
ヘルニア縫合術
,
胃空腸吻合術
,
腹部CT
Keyword:
Barium Enema
,
Gastroenterostomy
,
Anastomosis, Roux-en-Y
,
Intestinal Obstruction
,
Postoperative Complications
,
Radiography, Abdominal
,
Herniorrhaphy
,
Hernia, Abdominal
pp.245-250
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019182058
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15歳男児。高度の側彎を伴う十二指腸通過障害に対して胃空腸吻合術を施行した。術後経過良好で術後15日目に退院となったが、退院2ヵ月後に絞扼性イレウスを発症した。イレウスに対し緊急手術を行い、穿孔・離断していた空腸輸入脚断端と空腸輸出脚を端側吻合し、Roux-en-Y吻合と同様の経路になるように再建後、ドレーンを留置した。しかし、術後19日目に退院となったが、退院4ヵ月後に2回目の絞扼性イレウスを発症し、緊急開腹手術を施行することとなった。開腹所見では全小腸および盲腸・上行結腸が横行結腸間膜と挙上空腸との間隙(Petersen's defect)に右側から入り込み、挙上空腸の左側に嵌頓して内ヘルニアを呈していた。そこで、嵌入した腸管の内溶液を穿刺吸引して嵌頓を解除したが、著明に拡張した盲腸~上行結腸の腸管壁に菲薄化・穿孔を認めたためトリミングして縫縮、Petersen's defectを縫合閉鎖した。その結果、術後経過は良好で術後15日目に退院し、目下、術後2年現在、イレウスの再発なく経過している。
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