発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013179906
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症例は76歳女性で、全身倦怠感を主訴に、近医精査にて寒冷凝集素症(CAD)を伴った重症大動脈弁狭窄症と診断され、手術目的で当科紹介となった。交差試験・寒冷凝集温度検査では、自己対照生理食塩水法陰性、自己対照ブロメリン法2+、自己対照アルブミン法陰性、自己対照Coombs法3+、寒冷凝集素4096倍で、血液温度27℃で凝集を認めた。長時間手術では末梢温度の低下に伴う赤血球凝集により、循環障害の発生が危惧された。本症例は心筋保護液温度を32℃とし、心筋保護液注入量は通常の約3倍とすることで安全に手術を行うことが可能で、合併症のない良好な術後経過を得ることができた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013