発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014298162
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76歳女。労作時呼吸困難を主訴とした。原発性の抗リン脂質抗体症候群(APS)にて加療中であり、70歳時に大動脈弁狭窄症(AS)を指摘されていたが、入院時には胸骨右縁第二肋間にLevine分類IV/VI度の駆出性収縮期雑音を聴取した。胸部X線、心電図では心拡大、左室肥大を認め、心エコー像では大動脈弁の石灰化、平均較圧差47mmHgの重度ASを認めたが、心臓カテーテル検査所見に異常はなかった。症状を伴う重症ASと診断して生体弁を用いた大動脈弁置換術を行い、術中は人工心肺回路の血栓閉塞といった有害事象を避けるために活性凝固時間の測定を厳守し、protamine投与量を調整した結果、術後は合併症を認めることなく良好に経過した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014