特集 全身症状を伴う皮膚疾患(2)
臨床例
寒冷凝集素症
猿田 祐輔
1
,
奥村 恵子
,
松澤 有希
,
大歳 晋平
,
内田 隆夫
,
高安 真美子
,
末木 博彦
1昭和大学藤が丘病院 皮膚科
キーワード:
鑑別診断
,
動脈硬化症-閉塞性
,
貧血-溶血性-自己免疫性
,
寒冷凝集反応
,
血漿冷却濾過
,
保温
Keyword:
Anemia, Hemolytic, Autoimmune
,
Arteriosclerosis Obliterans
,
Diagnosis, Differential
pp.865-868
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014082397
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<症例のポイント>寒冷凝集素症は自己免疫性溶血性貧血の一病型で、赤血球膜に対する自己抗体である寒冷凝集素に起因する疾患である。溶血症状のほか、網状皮斑や末梢の循環障害を示唆するacrocyanosisを呈する。自験例では発症前に咳嗽が持続し、抗マイコプラズマ抗体が1,240倍に上昇していたことから、マイコプラズマ感染症に続発性に生じた可能性が高い。一方、単クローン性IgMが検出されていること、数年前の採血時にも赤血球凝集がみられたエピソードから特発性の可能性も残る。網状皮斑やacrocyanosisを診た場合は本症も鑑別診断に加え、寒冷凝集反応を検査すべきである。
Copyright© 2013 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.