胸部外科の指針
孤立性総肺静脈還流異常症IIa型に対する左房後壁転位術
玉木 修治
1
,
横山 幸房
,
横手 淳
,
小坂井 基史
,
大河 秀行
,
柚原 悟史
1大垣市民病院 胸部外科
キーワード:
術後合併症
,
心臓血管外科
,
心房
,
体重
,
肺静脈閉塞症
,
緊急手術
,
肺静脈還流異常
,
房室ブロック
,
手術時間
Keyword:
Body Weight
,
Heart Atria
,
Postoperative Complications
,
Pulmonary Veno-Occlusive Disease
,
Cardiovascular Surgical Procedures
,
Atrioventricular Block
,
Operative Time
pp.179-186
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013179905
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孤立性総肺静脈還流異常症IIa型に対する手術について、左房後壁転位術(LAPF)を施行した5例を中心にcutback法群2例と比較検討した。その結果、LAPF施行群の心停止時間は平均36分、人工心肺時間は92分、手術時間は4時間26分、閉胸前直接穿刺によるRV/Ao比は1例を除き0.3以下であり、いずれもcutback法群より低値を示した。術後合併症では、cutback法群ではいずれもPVOを生じたのに対し、LAPF施行群ではPVOなど早期退院を妨げる合併症を生じなかった。LAPF施行群の退院前UCGで計測された肺静脈血流は全て1.0未満であり、また退院後約半年の心カテーテル時のPp/Psも全て0.3未満と、満足のできる結果であった。現在、平均54.6ヵ月の観察期間で新たな合併症はみられず、良好に経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2013